元樹だより 令和6年5月

2024年05月01日

 新緑がまぶしい5月となりました。この季節の風物詩といえば鯉のぼりですが、鯉と一緒に掲げられる「矢旗」が熊本特有の風習であることを皆さんはご存じでしたか?

 支柱のてっぺんに家紋と子どもの名前を染め抜いた矢旗は、「名前のぼり」と呼ばれ、大正時代に入ってから流行したのだとか。そのきっかけは、熊本市内の染物屋さんが「明治も終わり、子どもたちの服装も紋付き羽織から洋服に変わっていった。このままでは家紋も忘れられる。」との思いから始められたからだといわれています。

 ひと昔前までは、この矢旗を掲げた鯉のぼりが五月晴れの青天に力強く泳ぐ光景を、あちこちで見かけることができました。住宅事情や時代の流れとともに、ここ最近では「屋根より高い鯉のぼり」を掲げることが難しいなどの理由からか、すっかりと目にする機会が減ったように感じます。

 一方で、使用されなくなった鯉のぼりを集めて掲げるイベントが全国各地で行われています。県内では3,000匹を超える鯉が圧巻の「杖立温泉鯉のぼり祭り」が有名ですが、実は、規模は小さいながらも本市内でも行われています。今月号の表紙はその様子です。

 集められた鯉のぼりはもともとお子様の健やかな成長と幸せを願い使用されていたものです。だからでしょうか。並んで泳ぐ鯉のぼりを見ていると心が温かくなり、形を変えながら伝統や思いが受け継がれているんだということを実感します。

 街なかで見る機会が少なくなった鯉のぼり。地元での取り組みを皆さんもご覧になってはみませんか?きっと、訪れる人々の目も楽しませてくれると思います。

 そんな5月に新たな楽しみが増えました。なんと、現役3人目の郷土力士が誕生したんです!

 昨年、第101代学年横綱の称号を手にした草野直哉さん(鶴城中学校出身)の伊勢ケ浜部屋への入門が決定し、幕下最下位格付け出し資格が承認されました。早ければ、この5月場所でのデビューが実現します。

 大学4年間で手にした9つのタイトルのほか、学生時代の華々しい経歴を引っ提げ、満を持しての角界入りです。今後の活躍に期待が高まります。

 5月場所は12日(日)に初日を迎えます。皆さん、郷土力士への熱い声援をよろしくお願いします。

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